一般的に単焦点レンズというものは、画角を固定する代わりにその画角内で最高の性能を発揮できるように構成されているため、コンパクトな割に高画質な物が多く、キットレンズの標準ズームからステップアップとして入手される方が多いと思います。しかしながら、人間というのは欲深いもので、「次はもっと広く写したいな」などと言い訳しながら次々とレンズを増やしてしまうのです。
とはいえ、多くのレンズを管理するのはなかなか大変です。とくに、旅先などの出先であれこれレンズを付け替えるのは面倒です。となると、画角が変えられるズームレンズが欲しくなるのですが、画質が伴わなかったり、高画質であっても高価だったり大きかったり…と「ちょうどいい」レンズはじつは見つからないものなのです。
旅先などのスナップショットを想定すると、実は「高倍率でズームして抜きたい」というシーンはあまりないことが多いのです。あくまである標準域を想定してその前後で「もう少し広めに・寄って撮れたらなぁ」というのがほとんどだと思います。
となると、普通はいわゆる「標準ズーム」を持ち出すことが多いのではないかと。けれども冒頭で話したようにちょどいい塩梅のレンズ実はなかったりするのです。たしかに性能としては申し分ないのだけれど大げさだったり、あるいは高価…
本質的な部分を考えると、実は私たちはズームレンズがほしいのではなく、様々な単焦点レンズを一つにまとめたようなレンズが欲しいのかもしれません。単焦点の高画質とコンパクトさはそのままに、もっと色々な画角が扱えたらなぁ、と。
たとえば、目の前の建物をすっぽり収めたいときや、室内で全景を撮りたいときは換算~35mm前後の広角で。(ƒ/7.1 21 mm)
ぎゃくに、クロースアップしたいときや小物を撮るときは換算50-70mm前後がいいのかもしれません。また、屋外では水辺での撮影もあるので、防塵・防滴もあると安心かもしれませんね。(ƒ/5.6 40 mm)
そのあたり、よーく考えてみると、このDA 20-40mmF2.8-4ED Limitedが輝いて見えてくるのです。35mm判換算で30.5-61.5mm相当の画角をカバーする2倍ズーム。ズームレンズとしてみれば何やら半端なズーム域ですが、「複数の画角を扱える、単焦点品質のレンズ」と見方を変えればこのレンズの存在意義が腑に落ちるはずです。
画質について言えばLimitedシリーズの本レンズ、申し分ないです。スッキリした味付けの色合いとボケ味。そして最短撮影距離は0.28mとそこそこ寄れるのでテーブルフォトも難なくこなせます。ワイド側でテーブル全体も撮れますね。
開放でf2.8-4とそこそこの値ですが、少し寄って背景を抜いてあげればしっかりと浮き上がるようなボケを簡単に作り出せるので、とても扱いやすいです。
PENTAX リミテッドレンズ 標準ズームレンズ HD PENTAX-DA20-40mm F2.8-4ED Limited DC WR ブラック 23000
- 出版社/メーカー: リコー
- 発売日: 2013/12/06
- メディア: Camera
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