実は最近、Surface Duo2を買っていました。
ごきげんよう、しおせんです。
いやね、初代から存在は気になっていたんですが、「国内版ないのかー、個人輸入とか中古買うのもいいけどねー(やる気ね~)」という感じでほったらかしていたんです。
でも、まさかこんな変態スマホ(この形でスマホなんですよ)の後継機が出るとは思ってなかったし、なんか国内でリリースされちゃうし、しかもそれが6月中は大幅値下げってことで「おお~?ちょっと見てみるかー」となったわけです。
『気にはなるが、使うシーンがいまいち想定できない、しかもあんま安くない』端末を買うのって結構ためらうんですが、「でも、最近円安だし、この値下げの機会逃したら、めっちゃ値上がりしたらなんかムカつくな…」という謎理論で買ってしまいました。
なお、購入時はこちらのブログを参考にしました!(センキューはるかさん)
ここで、ざっくりとしたスペックを。
・大きさはほぼ文庫本サイズで
(閉じたとき:145.2 mm (縦) x 92.1 mm (横) x 11.0 mm (ヒンジの厚さ))
・折りたたみだけど曲がる画面じゃない2画面の
(5.8インチ2 画面で 8.3 インチ AMOLED、2688x1892、90Hzでそこそこなめらか)
・スペックは去年(2021年)のハイエンドスマホちょっと下ぐらいで
(Qualcomm® Snapdragon™ 888 5G、8GBメモリ)
・初代よりカメラ性能が底上げされた(というか初代はそもそもリアカメラなかった)
(リアカメラ:超広角13mm/標準27mm/望遠51mm)
・指紋認証が使える、タブレットじゃなくて変態スマホ
(eSIMも使えて5G対応、通話もできる。一応公式的にはスマホらしい)
です。
なお、ストレージは増設できず買うときに容量選ぶタイプですのでご注意を。
おサイフケータイなんてものはなく、ワイヤレス充電・防水防塵ともに無し、です。
充電ケーブル(C to C)は付いてるけど充電器は入ってないよ。
こんな変態チックな形状だと、そもそもケースなんてつけられない(無理くり付けられるようにしたものは、あるにはあるが、折り返して使うことができなくなっちゃう。)ので、素直に純正アクセサリーを買うのが無難です。
「こ、こんなプラスチック片が5000円近くするの…?しかも粘着式…」と慄きましたが、純正なので精度は間違いないし、シボ加工されているので極薄の筐体をグリップしやすくなって、装着したら満足というより納得しました。
と、先程から池袋の椿屋で開封しているので画質がアレなのはそのせいなんですけど(池袋ビックカメラで受け取って即開封した)、とりあえず開くとこんな感じ。
全体的にツルツルテカテカ、かつ極薄なので、触るときにかなり気を使います。
ソフトウエアは、大幅アプデがあったとは言えまだまだバギーだし、特にキーボードの挙動が安定しないのが一番ムカつきます。
「プロトタイプを触っているのかな?」という心持ちで触るべきです。
こんな変態スマホを買う人達って、早期アクセスのベータ版OS触るの好きでしょう?それが堂々と市販されている感じです。
でも、そういうソフト周りは将来のアプデでまあ、解消される見込みがあるからまだ許せるでしょう。とくにAndroid12はこういう変態スマホにも最適化してくるらしいから楽しみなんだよね(対応するとは誰も言っていない)。
ん?あ、そうそう。マイクロソフトの端末だけど、これ一応Androidです。windowsPhoneはもうないの。でも、かなりマイクロソフトのデザイン思想を反映するように、スキンやレイアウトがいじられているので、あんまりAndroid感はないです。
じゃなくてさ。一番萎えた部分の話をしたくて。
この端末セール価格でさえ12万するのに左右の画面の色が全然あってないんだよね。
(スマホ画質の写真で見せられても、何がなにやらだと思うけどさ。)
椿屋の薄暗い店内でも即分かるレベル。画面つけた瞬間「あ、あああああああ」と悲しくなりました。けど、初期不良で返品とかはめんどくさすぎるので、無視して使っています。
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うちに帰ってきて。
大きさはこんなところ。(iPhone SE2、Xperia 5iiiと比較)まあ、比較しなくても「文庫本サイズだよ!」って言えばそれで十分伝わると思う。もしくは電子辞書。
なんだかんだ文句言いましたけどね。
わたし、この端末好きです。大好きです。
その理由をつらつらと。
・可搬性がやばい変態端末なのにちゃんと動く!
まずね、「ちっさい端末ほしいなぁ~~」というニーズを、ポケットに入るサイズ感で完全に満たしてくれます。文庫本サイズならさすがにポケットに入るでしょう。
でもこういう矮小変態端末って、まともに使えたことないんですが、スペックが型落ちハイエンドクラスなので、ソフトウエアでバギーな部分をハードで補ってくれている感じがして、あんまり嫌じゃないんですよ。
でもって、一応音声通話もできるので(やろうと思えば)メインスマホにもできます。これ一台で一応要件は満たせます。
・人とかぶらないので所有欲をかなり満たせる
iPad miniもまあ、いいんですけど、誰彼もみーんな持っているし、つまらないんですよね。(クリエイトしなきゃいけない謎の義務感でるし。)
その点、Surface Duo2を買っているもの好きなんてよっぽどなので、基本人と被りません。
幸い、ハードの作りはかなりちゃんとしていて見てくれの品質も良いので「10万※するんだー、ふーん」と納得感のある見た目ではあります。(※セール価格かつ家電量販店のポイント差引の実質価格で)
・2画面だと基本マルチタスクで使う感じになるのがいい
折りたたみスマホって、「閉じてスマホ、開けばタブレット」とか言いますけど、あれ間違いです。正解は、「閉じて矮小スマホ、開けば間延びしたスマホ画面のなにか」です。
折りたたみスマホって、この世に今のところAndroidしか存在していないのです。んで、Androidってのはタブレット対応アプリがものすごく少ないんです。
だから基本、間延びしたレイアウトのスマホアプリを使う羽目になるんですよ。これがかなりストレスなんです。
だったら、スマホサイズの画面を2枚並べればいいじゃん?ってのが実はAndroidには合っていて、じっさい、そういうスマホもありました。(もちろん持ってます)
なのでその系統のSurface Duo2も、もれなく使いやすいです。なんだかんだ言ってさ、OS的にスプリット表示が許容されているなら使いたくなっちゃうでしょう?で、その2つのアプリの間に別に物理的なギャップがあっても問題ではないのです。だってパソコンのデュアルディスプレイで苛つくことないじゃん。
え?画面またいで大画面で見たいときもある?だったらその見たいサイズのタブレット買えばいいんじゃない?でもそれがいつもじゃなくて、たまにだから可搬性優先でコスト度外視で折りたたみ端末買うんでしょう?そこに不満があるなら素直にiPadmini買ったほうがいいです。
・解像度が高いディスプレイなので意外に雑誌が読める
伊達にAMOLED、2688x1892、90Hzのディスプレイ搭載しているだけあって、電子書籍の雑誌がわりと不快感なく読めちゃいます。この縮尺でも文字が潰れない。
よくよく考えると雑誌の細かい本文を、頭からお尻まできっちり読むことって(わたしは)あまりないので、レイアウトされたおおきな文字をササッと読んで、気になる本文があれば場合に応じて適宜拡大して読む感じ。とは言え今の視力だと拡大せずに読めちゃってます。わたしは。
KindleがSurfaceに対応してなくて、テキストベースの書籍だと文字が切れる!とか言いますけど、そんなときは折り返して一画面で読めばいいと思うんです。わたしは。
2ページの連続性を把握する必然性があるのって、テキストベースの書籍じゃなくて、画像ベースの書籍でしょう?なら、上記のようにそこは全然問題にならないので。
・画面比率が3:4ぐらいなのがいい
Androidにはほぼない、3:4ぐらいの比率のディスプレが意外にいいんです。スマホアプリにはちょっと今どきじゃない比率なんでアレですけど、ブラウザとかには縦でも横でもちょうどいい情報量で見やすいんですよ。そもそも、普通のスマホ自体は別に持っているユーザーが面白がって2台目に買うデバイスだと思うので、スマホアプリはそっちで使えばいいと思うし。
んで、タブレットでしたいことといえば、動画みたいー、とか電子書籍読みたいー、とかタブ開いてブラウザみたいー、とかだと思うんです。これに合っている比率なんです。
最近のスマホって、妙に縦長じゃないですか。あれって横画面で見るときに左右が余って、画面サイズの数値ほど大きなサイズで動画見られないんですよね。でもSurface Duo2は片画面でもスマホよりは大きな画面で動画を見れたりします。
あと、写真は基本3:2で撮る方が多いと思います。Surface Duo2は片画面でもL判より気持ち小さいサイズで表示できるので、画面を余すことなく使うことができ気持ちが良いです。お写んぽの相棒には最適かと。
・当たり前だけど、ヒンジで任意の角度に固定できるのがいい
これは当たり前なんですけど、別途スタンドがなくても自立できるのはやっぱり便利です。電子辞書を手元において使える使い勝手とほぼ同じ。角度も自由だし。
お昼休みにキーボードとモニターの間において動画見るのがやめられないです。
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さんざん褒めて、悪いところ言わないのは良くないと思うので
ここからは気になるところを少し
・やっぱりソフトウエアが不安定
コレに尽きます。ちゃんと検証してリリースしてるの?というかんじ。以前よりはだいぶましになったとは聞きますが、まだプチフリがあります。あと最適化も弱い感じ。
・デザインを毀損してまでカメラをつけた甲斐がない程度の画質
初代にはなかったリアカメラを、コレでもかと巨大なカメラバンプで実現した二代目はなーんか初代のコンセプトを破壊しちゃった感じで、デザイン的にかなり醜いです。
だって、折り返したとき閉じきらないし。そもそもレンズがバシバシ当たるのが嫌。
そのわりには「ええ?この価格でこの画質なの…うそだろ」というかんじで、なんていうんだろ、ちょっと頑張ってるエントリースマホぐらいの画質なんですよ。
上のおうどんが一応作例です。(コレはかなり頑張って撮った)
そもそも、タブレットで写真撮るか?ああいや、これ一応スマホだからカメラ付いてるのか…でもこの画質…写真撮るとき畳めないから持ちづらっ!うわなんだこれ
そんなかんじ。このカメラのせいで初期コンセプトがかなりブレています。
机に置くときちょっと気になるし、カメラ上にして折り曲げて置くと、バランス悪くてコケるし、そもそもきれいに折り返せないし(2回め)。コレはナンセンスです。
カメラ画質上げるなら、インカメラを出っ張らない範囲で強化すべきです。
・筐体の剛性に不安がある
薄くてスタイリッシュなのは結構。けれどヤワヤワです。上で言ってますけど、折り返したときにカメラバンプのせいで隙間があくんですよね。で、この隙間の方を持って握ると、あまり力をかけずとも端がたわんでくっついちゃうんです。
もしかしたらそれを見越しての柔軟性なのかもしれないですけど、使っていて怖いです。フレームはなんかかっちりした金属のを入れてほしいかなぁ。
・スピーカーがスッカスカ。位置も不思議
薄い筐体だから仕方ないのかもしれないですけど、価格に見合っていない音質です。別にソフトウエア上でブーストしてくれる機能もないし…
あと、位置が微妙です。斜向かいに1対ついています。他にもスピーカーみたいな穴は空いてますけど、たぶんこれ受話用レシーバーなんだと思います。
2つのスピーカーで縦向きでも横向きでも折りたたんでも対応できる苦肉の策なんですかね。12万出して2-3万クラスのスマホのスピーカーです。
いちおう、Surface 純正イヤホンやヘッドホン用のアプリが入っているので「音はそっちで聞いてね!!!」というスタンスなのかも。(純正なのでしっかり高いです)
・便利機能?が役立たず
surface独自色出そうとして、MS謹製ソフト・カスタムがわりと入っています。アプリの質はまあ、悪くないんですけど、「これどこで使うの…?」というのが多いです。
わかりやすいのが、充電時に文庫本で例えると背の部分に見えるエッジディスプレイの充電プログレス表示とか、そこに表示される(電源ボタンを押したときにしか見えない)2ミリぐらいの時刻表示とか…あと、畳んだ画面をちょこっと開いて一秒待つと内側の画面端で時刻が確認できる機能があります(笑)
いやね、こういう機能はワンアクション挟まないでちらっと見れるのが良いのであってなんかしないと見えないのは見えないのと同じなんです。
あ、エッジディスプレイは批判していないのであしからず。範囲がごくわずかなんでコンテンツは別に流れないし、そもそも本で言う『ノド』の部分だけなので触れる機会が半分だしそんな不快感無いです。2画面のギャップが緩和されて見え、個人的にはむしろ好印象です。
・対応アクセサリが純正以外皆無だし、純正も少ない
コレは変態スマホの宿命ですが、とにかく対応アクセサリが少ない。使いやすい中華ECサイトでおなじみのAmazonでさえ取り扱いが少なく笑っちゃいました。
あっても、こういう『折り返せなくなっちゃう』ケースしか売っていません。これじゃあ機能性半減だよねぇ。
かと言って、純正はバンパーとペンカバーしかない上にクソ高いのでなんか微妙です。
純正のスキンシールとか出してもいいのにね。UNIKKO出してよ。
・そもそも高い。定価で20万近くは強気すぎ
変態仕様とはいえ、定価が最小構成でも¥184,580からは強気すぎです。
最近のハイエンドで見慣れた価格だから違和感少ない?とか思う人もいるかもしれないですけど、別に最新スペックでもないし、折りたたみディスプレイでもないし、電話機としては物理的に重たすぎる(284 g)し、カメラ・スピーカー弱いし…
少なくとも、同時期のハイエンドスマホとくらべるとちょっと落ち込みます。
(てか型落ちハイエンド安いな。大丈夫、今期のは軒並み20万近くだから安心して??)
え?コレ折りたたみじゃない?ああ、ごめん、じゃあ参考にZ fold3 は
まあ23万ぐらいで仕様によっては同価格なんですけど、やはり性能差は結構あります。
翻って、コレはスマホじゃなくてタブレットなんだ!性能に文句言うな!と言い張ったところで、むしろ価格がネックなのが顕著になってきます。
iPad miniはセルラー最小構成で94,000円で半分ぐらいのコストで手に入ります。
(リンクはwifiモデル。)
んまあ、そもそも唯一無二の形状なんで比較しようがないんですけどね。それにしたって、「気になるから買おうかなぁ」というにはハードルが高すぎるんです。
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まとめると
デザインは美麗、コンセプトは素敵だったけどスペックが追いつかなかった初代を、マーケ的な視点で時代に合わせたスペック盛り込んだ結果、デザインが破壊され、コンセプトもブレちゃいました。でも、依然として唯一無二だし、そこそこ使えちゃうし。なんでセール価格なら買っちゃう端末。そんなところです。
文庫本サイズ、電子辞書サイズ、DSLLサイズ…近似したサイズが日本人のライフスタイルにあって、意外に使い始めるとやみつきになるんです。「あー、もっと早く出会いたかったなー。」そんな感じ。
なんというかね、ちっちゃいから持ち出すのにそんな熱量がいらないのに、そこそこ便利なんで、ちょっと腰据えての暇つぶしビューワーとして最適なんです。(歩きながらとか、満員電車だと、片手で持ちづらくて、高価で壊したら泣いちゃうから。)
暇つぶし用の文庫本とか漫画本の置き換えには(価格はさておき)かなりハマる端末です。その端末で動画も見れてネットもできるなら最高じゃん?そんなところ。
価格設定以外はいい線いってる端末なので、日本マイクロソフト様に置かれましては、セール価格を定価にするとか、リファービッシュ品を安く放出するとかで、もっと手にしやすい価格にするべきです。